次世代MP5の性能とマルイのフィロソフィー
- Shinichirou Yamamoto
- 4 日前
- 読了時間: 4分

(画像は当工房のアキュラシーパッケージを入れて調整した電動ガンの0.25gバイオ弾の初速)
電動ガンの命中精度を向上させるには?
― アキュラシーパッケージの技術と次世代MP5の真相 ―
「最近、やたらと当たる」と噂の 次世代MP5。その命中精度の秘密を探っていくと、どうやら単なる新パーツや“魔法のパッキン”の話ではありません。そこにあるのは、エアガンの歴史そのものと、設計思想の変遷でした。
シリンダー容量と命中精度の関係
次世代MP5は、スタンダード電動ガンの半分以下のシリンダー容量を採用。インナーバレルは 23cm。シリンダー容量とバレル容量が“ほぼピッタリ”という、驚異のバランスを実現しています。
チャンバーシステムは電動ハンドガン譲り(ただし押しゴム仕様)。これにより、現行最高峰の命中精度 を獲得したわけです。
初期マルイメカボの思想
東京マルイ最初期の電動ガン(V1、V2メカボックス)は フルシリンダー仕様。インナーバレルは45〜55cm級に対応し、シリンダー容量はとにかく大きめ。
シリンダーに加速ホールという穴を任意の所に入れるだけでインナーバレルが短い銃でも対応できる、、要は”大は小を兼ねる”の設計。
理由はシンプル。
ジュール規制がなかった時代 → 初速は高ければ高いほど正義
外装を崩さずに「できるだけ大きなシリンダー」を入れたい
コストを抑えつつ高初速・高耐久を実現したい
スペースファクターに大きな制限がある低用量のバッテリーに対応させる(発射回数へのバリュー)
その答えが バージョン2メカボックス (バージョン1も)でした。
バージョン2メカボの工夫
弱いボディをカバー
メカボの強度はそこまで高くない
代わりに大容量シリンダー+ロングバレル+重り付きピストンで“弱スプリング駆動”
メカボ破損を回避
低コストパーツでも成立
ギア、ピストン、バッテリーは“ほどほど”の耐久性
大容量シリンダーでパワーを稼ぐ
その結果、安くて壊れにくい電動ガンが完成
要は「ベンチュリー効果を極限まで利用するための大容量設計」だったわけです。
、、、しかし、、、しかしですね、、、時代は変わった、、、
今は 1ジュール規制 が存在します。もはや“盛りすぎたシリンダー容量”は不要。むしろ――
大きなピストンはメカボを叩き、命中精度に悪影響
膨大なエア容量はチャンバー内に過剰な圧を発生させ、パッキンを変形させる
長いバレルも取り回しが悪く、精度を損なう場合がある(ピストン打撃の衝撃でバレルがブレる)
そこで初めて「容量を絞る」方向性が見えてきます。
、、、そこで小容量シリンダーの始まりなのです、、、
転換点となったのが AA-12電動ショットガン。ここでマルイは初めて“小容量シリンダー”を採用し、新しい可能性を模索しました(ボア小さめ、ストローク長め)。
設計者たちもこう思ったのではないでしょうか?
「エア容量を今の3分の1に減らした“新バージョン2後継”を作れないか?」
テストを繰り返す中で偶然たどり着いたのが――電動ハンドガンのチャンバーシステム。
これが、次世代シリーズの命中精度革命へと繋がっていったのです(ちょっと大げさです)

(画像は電動ハンドガン ハイキャパ、、、初速を上げると次世代MP5の弾道と同じような性能になりませんか?、、特に弾道の放物線が似てません?)
次世代MP5は「最適化の結晶」
つまり、次世代MP5の精度が高いのは――
新チャンバー!新パッキン!といった新要素ではなく
電動ハンドガンのノウハウを 1ジュール規制時代に最適化して転用した
ただそれだけ、、、厳密に解説すると0.28gBB弾で40mまでのターゲットを狙った時のレシピの最適化という条件付きですが、、
しかしそれが“最良の解答”だったと当方推測します(ハイサイクルカスタムした時の弾道性能はこの際無視です)。
今ある技術、今使えるサプライメーカー、今できる設計。そのすべてを駆使し、開発コストを徹底的に抑えつつ黄金比を突き詰めた――それが次世代MP5だと、当工房は考えています。
アキュラシーパッケージとの共通点
結局のところ――
「エアの0.0001gも無駄にしない」シリンダー容量 × インナーバレル長 × チャンバーシステムの黄金比
これこそが マルイの次世代MP5 であり、そして 当工房のアキュラシーパッケージ なのです。
次回予告!
アキュラシーパッケージの技術とマルイ次世代MP5の技術の考察その結論は――
「なんだ、マルイもアキュラシーパッケージも基本同じやんっ!」
、、、やはり当方が初めてファマスを検証した時の同じ答えがマルイエアガンの設計の答えの中にあるんですね!
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