パーツは語る!
ハイ、どうも!
最近は個人、ショップ様カスタムのリカスタムが非常に多くてテンテコマイです。
新品からカスタムした場合とリカスタム案件とではカスタムの工期が大幅に異なります。
不具合の大小ありますが工期日数は最低でも新品からのカスタムの工期の2倍~4倍は工期が掛かります。
これは不具合を見つけるのに非常に時間が掛かることと詳細不明なカスタムパーツやでたらめなシム調整、11.1Vという非常に好ましくない電圧で運用されていたものなどがかなりある場合が多くチェック項目が非常に多くなるからです。
ここで”パーツは語る”の題名どおりリカスタム不具合の一部を紹介したいと思います(ホントはもっと複雑怪奇な不具合多いんですが、、)。
不具合①
ファストン端子不良
画像のように端子の部分が絶縁されていません。本来は金色に見える金具(ファストン端子)がスミチューブ(絶縁チューブ)で覆われていないといけません。ココがむき出しだとむき出しの金具とグリップの蓋が接触してショートします(蓋がプラ製ならば大丈夫)。
ここの絶縁処理ひとつで高価なFCUが壊れた案件を沢山知っています。
不具合②
ピストンクラッシュ
一番多い不良ですね。
ピストンスピード、セクターの回転タイミング、モーター&電圧の認識不足、経験不足で画像のようにラックギアがナメってしまいます。このナメり方はピストンスピードに対してセクター回転数が速いとなってしまいます。
こっちの画像はセクターの間欠ギア歯数とラックギア歯数の調整と加工のカスタムの仕方を根本的に理解していないとなる不良です。
またフルティースピストンとハーフティース、スプリングの強さなどかなりの知識と経験がないと耐久性のない初速の安定しない銃が出来上がってしまいます。
カスタムショップ様、個人様でもハイサイクルは非常に技術が要るカスタムですのでカスタ費は高額になりますし30発以上のハイサイクルのカスタムメニューを扱っているところは限られてきます。
今までのリカスタム案件で適切なパーツチョイスとパーツ加工を行っているカスタムに出会ったことはあるような、、ないような、、。
不具合③
シム調整不良
画像はシム調整がまったく合っていなくてギアクラッシュをしたピニオンギアです。
シム調整は個人様カスタムのリカスタムの案件の方が適正にシム調整がされいる場合が多いです。
非常に技術が要る部分ですし調整に時間が掛かるところですがしっかりと調整しないと後から壊れた時にメカボごとすべてのパーツを総取替えになってしまう再起不能の銃が完成してしまう例もあります。
画像は次世代のセクターギアです。次世代はノーマル銃のセクターギアと違ってセクターの形状が違います。シム調整を失敗するとこの丈夫なギア歯も破損します。そしてとんだギア歯の破片がメカボ内で暴れまわってパーツをめちゃくちゃにします。
不具合④
コネクター不良
画像は11.1Vでシム調整が合っていない銃で撃ち続けた結果、コネクターが溶けてしまった画像です。このコネクターは11.1Vには対応していません(最大アンペアは頑張って15~20Aです)。
また伝送系も非常に技術が要るところで地味にカスタムにお金をかけてしっかりとやらないと使うたびに銃が徐々に死んでいき再起不能になります。
伝送系は人間で例えると血管にあたります。非常に大切なパーツですね。
僕はオーディオアンプの設計をやっていたので電気関係は少しは自身があるつもりですが電動ガンの伝送系のカスタムを診ると意味がないものが非常に多いと思います。ただ電線取り替えるだけでは何も変わりません。非常にシンプルなパーツですがモーターとバッテリーが絡むと非常に技術が要るファクターとなります。
画像はコネクターをバラしたものです。これを組み立てますが電工工具があれば誰でもすぐに組み立てられます。非常に簡単に組み立てられて汎用性が高いコネクターですがその分、技術が要るハンダ付けをしないので壊れやすく流せる電量も全然ありません。
要は技術コストが掛かっていないんですね、、。
不良⑤
FET不良
画像は焼けたFET基版です。
FETに関しては非常に専門技術を要します。しかも電動ガンはDC1ラインで相手は間欠ギアと負荷が高いスプリング、DCモーターが相手です。しかも運用はモーターのストップ&ゴーが多いセミ運用をしないといけません。これはFETと伝送系にとって非常に宜しくない環境です。
この電装系の負荷をよく解かってるのがマルイ様で銅金具でスイッチのON-OFFを行っています。カットオフによるレバーの物理的動作でラインのカットを行います。非常に安全で理にかなったシステムです。
ですがこのシステムは8.4Vのニッケル水素が前提のシステムで最近支流のリポバッテリーには役不足です。ましてや11.1Vではすぐに銅端子が炭化して通電不良となります。
ここの技術は非常に高い専門的な知識が要りますが電動ガンのカスタム界隈ではまだ皆さん迷われていたり試行錯誤されていたりでリカスタムをやっていると非常に切なくなる部分です。
画像のFETも11.1V動作OKですが基版のラインが焼ききれています。これはラインのパターンが焼ききれる電気の性質を理解していないと焼いてしまう例です。
焼き切れた原因が解かるのは高度な技術が要りますが皆さんFETや伝送系を焼いてしまったらFETを強力なものに交換するかデバイスを変えたりしているみたいですね。
、、、とまあ電動ガンの不具合報告でした。
当工房ではリカスタムで怪しいところはすべて見れる範囲でチェックし直します。とても手間が掛かりますが見てみぬ振りは出来ないです、、、当工房がカスタムした銃は耐久性とカスタムがその銃のポテンシャル以上に発揮できるようにカスタムいたします。
それではまた!(ですが見えない不良もあることをご了承ください、、特に中華銃は、、)