エアブレーキピストンの考察
電動ガンの消音化はとても有効なカスタムですね。サプレッサーを入れたりするのも有効ですが一番消音に有効なのがエアブレーキピストンを入れるのがとても有効かと思います。何故有効なのかは割愛しますが要はこのピストンを入れると銃口から出る発射音(破裂音)がかなり軽減されるからです。エアブレーキピストンはカスタムメーカーから何個か出ていますがどのピストンも高度な加工技術が必要かと僕は考えています(例外もあり)。何故、高度な技術が必要かというとエアブレーキピストンの突起の径、長さのサイズと各電動ガンのシリンダーヘッドのノズルのサイズがバラバラだからです。上の画像でも確認できますが全然径が違います。このほかにもカスタムのレシピによってシリンダーエアー容量、スプリング強さ、ノズルの長さやインナーバレルの総エアー容量、ピストン総重量によってもエアブレーキの径や長さを計算して変えないとピスクラしたりフルオートが使えなくなったり消音効果が全くなかったりします。ですがカスタムパーツで売っている物はすべて同じ形で売っています(ヤフオクに
出ているエアブレーキピストンはよさそうなものがたまにありますよね!)。また各カスタムショップの消音カスタム銃のリカスタムで僕のところに依頼で入ってくる銃のエアブレーキピストンは、、、、すべて(ほぼ確実に、、)
、、、画像の形状のものが、、。
当工房に入ってくる壊れた消音カスタム銃は個人カスタムもショップさんカスタムも大体はこの形状のエアブレーキピストンが入っていたりします。このエアブレーキピストンは加工前提でのカスタムピストンだと思うのですが各シリンダヘッドにあわせて見ると、、、
どのシリンダーヘッドにも大体は入りません!。シリンダーノズルに入らないのでもちろんピストンが前進しきらないので一発でピストンクラッシュです(例外もあります)。シリンダーの衝撃材を厚くしてノズルにギリギリ突起が入らないようにするのも方法としてありますがほとんど消音効果は得られません。また衝撃材がヘタるとピストンクラッシュします。
多分ですがこの製品はマルイ純正シリンダーヘッド用なのかもしれません。ですので社外のヘッドを使う場合は加工しないといけないのかもしれません。
ですがマルイのヘッドを使ってもピストンレールガイドとメカボのレールガイドのクリアランスが劣化のために広がった場合はすぐにピストンクラッシュします。
どっちにしろポンつけは駄目だと思います。
僕が作るエアブレーキピストンヘッドはそれぞれの銃にあったすべてのパラメータを計算した上でエアブレーキピストンを設計します。特に重要なのはシリンダーヘッドのノズルの総エア容量とチャンバー形状です。またノズル径をしっかりと図ってコンマ何ミリ単位でエアブレーキの突起の形状と長さを削っていきます。ある程度完成したら試射をして消音効果やピストンスピード、初速、秒間サイクルを計算してエアブレーキの突起を加工&調整してきます(画像参照)。
また、突起の形状を工夫することによってエアブレーキの利き初めを遅らせたりエアブレーキ(アコースティックサスペンション)の効果を強めたり弱めたり、チャンバー&タペットノズルの形状を加工してベンチュリー効果の調整が可能です。ここら辺の技術は僕が昔に某オーディオメーカーでスピーカー設計をやっていたときのバスレスポートの計算やエンクロージャー設計の知的財産を活用しています。電動ガンの場合のポート計算は秒間はせいぜい10~40発程度のエアーの振幅の計算をすればよいのでスピーカーのポート計算よりはかなり楽です(スピーカーのポートの振幅は50~100hz程度、、電動ガンの振幅(秒間サイクルに換算すると秒間50~100発)。バックロードホーンのような複雑怪奇な音響迷路もないですしスピーカーユニットの最低共振周波数(F0)の計算の必要もないですから非常に楽です。なので自作したエアブレーキピストンの突起の形状はそのシリンダーヘッドの径や長さに最適、且つピストンレールがヘタって来たときのクリアランス修正も見越して最適な突起が容易に作れますしエアブレーキの効果も市販のヘッドのときよりも随分と長いので消音効果も確保しやすいです。ギアの音のほうが気になるくらいです。
消音銃ならスナイパー銃にサプレッサーつければ最強のサイレント銃が出来ますがやはり電動ガンで音もなく秒間20発以上のサイクルで撃たれたら敵さんは避けようがないです。
これは大きなアドバンテージではないでしょうか?(でも一発で倒すロマンも捨てがたいですね!)
これもひとつのカスタムの形だと思います。
それではまた!
サイレントカスタム銃の検証動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=eh1-nRkMRLM